09 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.» 11

空 棘 魚 の 月 光 浴

きっと・・・今が人生一番の「凪」のとき。

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Posted on --/--/-- --. --:-- [edit]

category: スポンサー広告

TB: --    CM: --

--

棟梁の背中 

病院には、元大工のお爺さんがいます。
大正10年生まれってことだから、御年92才
ちょっと背中が曲がり気味なので、お猿さんそっくり。
私は「じぃじ」と呼んでいます。

前回入院した時にもいたけど、高齢なので
体がめきめき弱っているのがわかるのでちょっと辛いですが
順番だからしかたがない部分もあるし、なんだか複雑。
最近は足元もおぼつかなくなってきているので、
夜中トイレに起きて2回ほど廊下でコケました。
毎回派手にコケるので大きな音で飛び起きてしまいます^^;
「パタパタパタパタ・・・」(スリッパの音)
「ドドドーン」(廊下の端にあるごみ箱に激突してコケる音)
「うぅぅぅぅぅぅぅううううぅぅぅぅ・・・」(うめき声)
心配になり飛び起きて見に行くと、顔面強打したみたいで
前歯が折れて血まみれだったりしたこともあります。

じぃじは、訳ありなため身寄りが実在しているのに孤独です。
お見舞いも全くありませんし、気にかけてくださる方もいらっしゃいません。
おそらくここの病院を出る時は、ひっそりと亡くなった時だろうと
予測できてしまうのが辛いところです。
多分、ご本人もそのことを一番理解しているような気もしています。

じぃじは、テレビっ子で読書家です。
ちょっと信じられないのですが、裸眼で読書しているんです^^;
全く老眼なしなのですよ・・・かなりビックリです。
じぃじは博識だし、話題も豊富。茶目っ気もあるから
おそらく若いときは、相当モテていたと思います。
ただし、痴呆の症状が進行中なので、記憶が途切れ途切れで
小学生時代のことを鮮明に覚えているのに、昨日のことは忘れていたりとか
記憶が飛び飛びになってしまっています。
たまにするどい発言することもあるけど、その次には呆け老人の発言だったりと
めまぐるしく変わるので、ついていくのがちょっとだけ大変だし根気がいります。
だけど高齢患者の中で一番人気があるし、たまに粗相しても誰も咎めません。
少し前に朝、廊下中に悪臭がしていたのですが、犯人はじぃじ。
お腹がゆるかったのか、パジャマの中に漏らしたまま歩き回ったため
悪臭&廊下に汚物が点々と・・・看護師さんに怒られていましたが
「年とると失敗することもあるべなぁ~へへへ」と笑って終わり。
みんな「しょーがないなぁ~」と苦笑い。
憎めないキャラってひとつの才能なのかもしれませんね。

そんなじぃじと、この前お風呂に入りました。
いつも入浴する際、じぃじはタオルとバスタオル1枚で向います。
石鹸つけて体を洗ったりした痕跡ゼロなのですよ^^;
それで、「シャンプーしたのはいつ?」と尋ねたら
じぃじ曰く「記憶にございません」と(笑)
「禿げはシャンプーパスして大丈夫って決まってる」とか言い出すし(爆)
そんなこんなで、じぃじをキレイにしようと入浴介助してあげました。
本当はいけないことなのですが、黙認って形で病院側では見逃してくれました。
普段から、私がじぃじと並んでお相撲見ていたり(二人で遠藤を応援していました)、
なにかと仲良くしているの知ってるからもあったみたいです。

じぃじのシャンプーして顔も石鹸をつけて洗い、体中泡だらけでこすりまくり
足の裏は丁寧に軽石でこすりカチカチかかと脱出です。
とどめがお風呂あがりの耳掻き。
もう爺昇天スペシャルコース(笑)

じぃじは元棟梁です。
しかも村で一番のお相撲が強かったらしく、
若い頃はさぞやマッチョだったろうなぁ~という体つきなんです。
大昔筋肉隆々だった背中が、小さくしぼんできています。
適切な表現ではないのかもしれないけど、まもなく命が止まる瞬間がもうすぐそこ。
なんだか複雑な気持ちのまま背中をこすっていると、じぃじが言いました。
「ありがとうよぉ~ありがとうよぉ~」
「長生きするもんだな、80年生きてきて良かった。気持ちいいなぁ~」
「そっかー良かったね。もっと長生きしたらまた背中こすってあげるからね」
と言いかけて、気がついたんです。
私は父の背中をこすってあげたことがないまま父は逝ってしまいました。
記憶にあるのは、子供の頃に若かった頃の父と一緒にお風呂に入り
そこで見た父の大きな背中の記憶だけ。
しぼんだ父の背中の記憶がありません。
もう少し父が長生きしてくれていたら、
こんな風に背中こすってあげる機会があったかもしれません。
しぼんだ背中の父を知らないことは、
良かったことなのか残念なことなのかどちらなんでしょうね・・・
いい思い出しかないことはいいことなのかな?
よくわからないけど、父の背中もこんな風になっていたのかなーと
少しだけ想像しながら、じぃじの背中を丁寧にこすってあげました。

じぃじが持っていた、干からびた小さな石鹸と空のシャンプーが
孤独な悲しさを訴えているようで、切なかった。

どうかお年寄りを大切に
家族を大切に
しぼんだ背中に「ありがとう!」

ちなみに、じぃじは戦時中広島に赴任していたそうで、
岡山に手伝いに出た日、原爆が落ち友達全員亡くなったそうです。
以前、涙声で私に教えてくれました。
じぃじは、私のこと「かわいこちゃん」と呼んでくれます(*´∀`)♪





web拍手 by FC2
入院と療養生活の関連記事

Posted on 2013/10/08 Tue. 21:47 [edit]

category: 入院と療養生活

thread: 今日の独り言  -  janre: 独身・フリー

TB: --    CM: 4

08

コメント

 

 棟梁は年齢から推測して、戦争を青年期に体験した方ですね。

時代の価値が変わっていく中を90オーバーまで生きてきた人です。

今のように私の分まで温かくしてあげてくだされな。

URL | ガッツ #- | 2013/10/10 17:57 | edit

 

ガッツさん、おはようございます。
院内には90才超えた方が数名いらっしゃいます。
ただ、男性はじぃじだけ。
たまに当時の事を聞かせてくれますが、
どのお話しも、とても壮絶で胸が痛みます。

みなさん痴呆が微妙に少しずつ進行してますが、
根気よく上手にお付き合いしていきたいと思います^^
いつもコメントありがとうございます。


URL | Ria #qbIq4rIg | 2013/10/11 10:41 | edit

昨日の書き込みが消えている(爆) 

Riaさん
今晩は

私も人気者の爺さんになれるよう頑張ります。
ってもう既に嫌われもんの爺さんか(大爆笑)

Riaさんもう大きな病院へ移ったんですね。
早く良くなりますように。

今日だけ頑張る、明日は朝になれば今日になる。

URL | ザビエル欽介 #AGWdSYDM | 2013/10/13 22:37 | edit

 

欽ちゃん、こんばんは。

なんだかFC2時々調子が悪いみたいで、
コメントしても、今回の欽ちゃんのように
反映されていなかったりが、たまーにあるみたいです。
せっかくコメントいただいたのにごめんなさい。

欽ちゃん、手先の器用なおじいちゃん目指して欲しい。
嫌われたりとかはないと思います。
なんたって欽ちゃん、とっても穏やかだから^^

病院はまだ山奥病院でーす。今月末までここにいます。
来月大きな病院へ転院して、いよいよ再手術(涙)
またお腹にメスが入ると思うと、ちょっと怖い( ´-ω-)

URL | Ria #qbIq4rIg | 2013/10/14 18:35 | edit

Comment
list

コメントの投稿

Secret

Comment
form

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。